如何する事も出来ないのです。
へらへらと震えて笑う此の咽喉に、酸素が通らないのです。
如何する事も出来ないのです。
仕方が無いのです。
へらへらと笑う此の体は、きっと私の物では無いのでしょうから。
目の前が真っ暗になって、私の物ではない私の体は私を手放した。
同時に私は、枷を外して遠くへ。
只管にあの人の事を思います。
唯、優しい存在しないあの人を。
何時から私は此の体に入っていたのでしょう。
きっと、遠い昔、もう、思い出せない。
嗚呼、先生。
好きです。好きです。貴方が好きです。
嗚呼、如何か。
忘れないで下さい。
好きです。好きです。貴方が好きです。
忘れないで下さい。
私の事を。
如何か。如何か。忘れないで下さい。
嗚呼、如何して。
たった此れだけの事が、此れだけの言葉が咽喉に詰まる。
唯、優しい存在しないあの人になら、幾等でも言えるのに。
幻の私の体なら、幾等でも言えるのに。
嗚呼、如何して。
只、伝えたいのです。
唯、嫌味で意地が悪くて子供染みた存在する貴方に。
貴方にこそ、伝えたいのに。
上手く言うことを訊かない、本当の私の物ではない私の体で、此の口で。
「嗚呼、先生。好きです。好きです。貴方が好きです。嗚呼、如何か。忘れないで下さい。好きです。好きです。貴方が好きです。忘れないで下さい。私の事を。如何か。如何か……」
「未だ、君が卒業するまで3年もあると言うのに、忘れると思うかね?君のように面倒くさい生徒を。ミス.?」
嗚呼、先生。
好きです。好きです。貴方が好きです。
嗚呼、如何か。
忘れないで下さい。
嫌味で意地が悪くて子供染みた存在する貴方が好きです。
貴方が好きです。
嗚呼、如何か。
息を吹き返して。
生きて、此の体で。
私は、貴方が好きです。
唯、優しいだけの妄想の中の貴方より
嫌味でも意地悪でも
此処に存在している貴方が好きです。
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スネイプ先生には、そうやって思い知らせてやりたくなるんです。
<2004.6.19>
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